2015.09.15poco a pocoライブ、おじさんはグッときちゃいましたの巻


どうも、大場です。

昨日、ライブに行ってきました。誰のライブかというとpoco a poco。

僕が以前、勤めていた編プロのI社長のバンドです。

会場は新橋のフォーク酒場『洛陽』。吉田拓郎の同名の大ヒット曲から店名をつけたのも言うまでもなく、なにしろフォーク酒場ですからね。poco a pocoがフォークバンドであることは断わるまでもありません。

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↑左が板橋雅弘社長(vo, g)右がポコちゃん(vo, b) 板橋さんの最新刊は『ほっこり庵 いい酒、いい味、いい話』(TO文庫)

『ほおづえをつく女』(風)、『青春のリグレット』(松任谷由実)、『ポップコーンをほおばって』(甲斐バンド)、『雨上がりの夜空に』(忌野清志郎)など往年の名曲と、I社長の客をいじらせたら悪魔的な天才ぶりを発揮する名MCを聴きながら、懐かしさとともにほわわわ~んと頭に浮かんできたのは新人時代のこと。

アルバイトの友達はみなアルバイト、そんな縁故採用で入れてもらったこと。

I社長の会社、有限会社シュワッチは社長を加えても4人というとてもこじんまりした組織だったこと(しかも4人中2人が代表取締役!)。

メンバーはたった4人でも取引先には講談社、小学館、集英社、光文社など大手出版社がずらりと名を連ねていたこと。

メンバーは全員20代半ばだったのにものすごく威張っていたこと。I社長は年上の編集者を平気で呼び捨てやあだ名で呼んでいた。不思議なことに呼び捨てにされている編集者はうれしそうだった。

後年、先輩のひとりはエッセイスト&ラジオのパーソナリティーとして活躍し、もうひとりは出版プロデューサーとして『磯野家の謎』を始めとするベストセラーを生み出し、I社長は『Boys Be…』などの漫画原作者&作家として名を轟かす。

一方、アルバイト時代の僕はといえば、こんなひと癖もふた癖もある先輩たちに囲まれ、ビビりっぱなし。緊張のあまり手汗いっぱいの毎日を送っていたある日、たまたま先輩のミーティングノートを発見。ページが開いてあるので見るともなく目をやると、議題と書かれた項目に「オシキリの配置とオーバの去就」とある(オシキリとは押切伸一。エッセイスト&放送作家として活躍)。読んだ瞬間、脇の下に汗がブワ~ッと湧き出ました。

クビかぁ…。

そのときは正直、そう思ったものです。それからしばらくして運良く社員にしてもらった数年後、『磯野家の謎』の先輩に聞きました。

「昔、ミーティングの議題にオーバの去就ってノートに書いてあるのを見ちゃったんですよね」

「おお、そうか。オーバの面倒は俺が見るってIが言ったんだよ」

そのときもまた脇の下に汗がブワ~ッと湧き出るのがわかりました。

この人のことは裏切れない。絶対に裏切らない、と心からそう思ったものです。これもまた月日の流れというものなのでしょうか。その後、何度I社長に「裏切り者」と言われたかわかりません(笑)。

欽ちゃんこと、萩本欽一はお笑いが好きで芸能界に入ったのではないんだそうです。テレビの仕事もラジオの仕事も芝居も最初は「不得意だなぁ~」と思ったんだそうです。でも、真剣にやっていると苦手なことが少しずつできるようになったと言っています。

「人生っていうのは自分がなにになりたいかじゃない。だれに必要とされているかなんだ」(『続・ダメなときほど運はたまる』より)

子供の頃、地元山形では『8時だョ! 全員集合』が映らず、その裏番組の『欽どこ』を観て育った僕には、大好きな欽ちゃんのこの言葉はしみます。

poco a pocoの最後の曲、『火の鳥』(泉谷しげる)の大熱演とウーロンハイのサービスにしても濃すぎる焼酎に酔いながら、あのときは必要なヤツと思ってほしくて仕方がなかったことがあのときの感情のままよみがえってきました。

おじさんのおセンチはキモい? それはご勘弁。いや~、やっぱり昼の酒は効く効く~。

2015.06.26『ほっこり庵』発売記念。板橋雅弘氏5分間インタビュー^^;


どうも、大場です。

ご報告です。僕をこの業界の一員にしてくれ、そのあとも(いまも?)ビシビシ鍛えてくださっている作家の板橋雅弘さんが待望の新刊を出しました。タイトルは『ほっこり庵 いい酒、いい味、いい話』(TOブックス)。今回はそんな板橋さんにお話を伺いたいと思います。題して、「突撃! 5分間インタビュー 大先輩でも全然、怖くないんだもん^^;」です。

ちなみに板橋さんは『週刊少年マガジン』で1991年からスタートした『BOYS BE…』で原作を担当し、累計2000万部以上のベストセラーに。近年は絵本作家としても活躍されています。

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↑最新作『ほっこり庵』とともに。

 

——よろしくお願いします。

板橋 うむ。

——え〜と、この小説はほっこり庵を舞台に繰り広げられる飲ん兵衛たちの人間模様を描いていらっしゃるわけですが、特徴的なのは登場する日本酒やワイン、蔵関係者、酒蔵やワイナリーがすべて実在。以前、日本酒バルをやってらっしゃった経験が活かされているってことですよね。

板橋 いわゆる私小説を書きたいと思っていたんだよ。昔、中間小説って言葉があっただろう?

——北杜夫とか遠藤周作とかですか?

板橋 そう。純文学と大衆文学の間の位置づけ。いまのエンターテイメントって本当に面白いよね。突っ込みどころがないくらいよくできている。でも、どうなんだろうね。破綻があったり、作者の本音がある小説ってのもいいんじゃない? そう考えて書いたのがこれ。

——確かによくある居酒屋小説とは一線を画しています。

板橋 居酒屋小説ってインチキが多いよね。登場する店はどれも素晴らしいけど、実際にあったとしたら経営が成り立たなくてすぐに潰れる。サービスにサービスを重ねて、お客さんに媚を売るような書き方ってどうなんだろうね。お客の立場でしか書かれていないのはやっぱりインチキだと思うんだよ。

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↑パフェを食べながらのインタビュー。「ケーキではモンブランが好き」だそうです。

 

——当たり前ですけど、お店の人とお客さんは対等だと。

板橋 うん。対等の関係でお店の人はサービスをして、お客さんにほっこりしてもらうのが本来あるべき飲食店の姿だと思うよ。これは書いたあとに気がついたんだけど、登場人物は当時の常連客が15人ほど。若い女性のお客さんは登場しているんだけど、それより年上のお客さんは出ていないんだよね。不思議だね。続編では登場させるつもりでいるけど。

というわけで、大場くんもオーバーくんの名前でこの小説に登場しているわけだけど、感想は?

——(きた、きた、きた)いやぁ、わかりやすいキャラクターですよね。これぞまさに中小企業のガハハ系社長って感じで。ガッハッハッ。

板橋 だって、キミの場合は本当のことがあまりにも作り話じみてて誰も信じてくれないからなぁ。なにしろ初めての海外旅行がケニアで、誰と同棲してたんだっけ?

——し〜〜〜っ! そ、そうだ。ウチの奥山のこともとてもよく書いてくださってありがとうございました。本人に何か伝えることはないか、と尋ねたら黙ること5分、やっと絞り出した言葉が「もっと板橋さんの店に行っておけばよかったっス」でした。

板橋 ほほう。聞いたぞ、奥山〜。いや、トクヤマくん。また店を始めたらそのときにはこいよ〜。あと、結構近かったのに奈巳とか榑林とかあんまり顔を出さなかったのが気になるなぁ。オーバーさんの教育がなってないんじゃないの?

ひゃぁぁぁぁ〜。

モンブランパフェ、もう一個食べます?

2015.06.02作家,漫画家&編集者が寄稿してくれた『週刊 都恋堂』、10年ぶりの再会!


「やっぱり小林(おっさんじゃないほう)には負けるよなぁ」

「何をおっしゃいますか。大場さんが一番ですって」

「またまたまた、ご謙遜を」

「いやいやいや、誰の目にも明らかですから」

 

どうも大場です。

僕とちょうど真向かいにデスクがあるコバナミとの間で、ときどきこういう醜い争いを繰り広げています。

何を争っているのかといえば、デスクの上の乱雑さ。新宿に引っ越してきてしばらくは僕もきれいだったのですが、1ヵ月ともちませんでした。

会社でこれなのですから、自宅ともなれば言わずもがなです。

この前から少しずつ逃げに逃げまくってきた家の中の整理整頓をしているのですが、たまには嫌いなこともやらなくちゃですね。クローゼットから懐かしいモノが出てきました。

じゃ〜ん。コレです。

週刊都恋堂1

↑よく残っていたものです

知る人は知っている、知らない人はこの瞬間に知っていただきたい『週刊 都恋堂』。

ベテランもペーペーも都恋堂の内部も外部もまったく関係なく、自分の好きなテーマで好きなようき書く(描く)、というのが唯一の編集方針。奥付には2005年2月4日創刊とあるので、10年の熟成期間を経ての再会です。

週刊なんて威勢のいいことを言っていたくせに『プロ野球選手名鑑』と同じ年1回の刊行ペース。カストリ雑誌よろしく、3号で休刊の運びとなってしまったのは不徳のいたすところ。

 

ここで、弊社の主だったメンバーのタイトルと内容を少し紹介しましょう。穴があったら入りたい? バカめ。僕らの仕事は恥をかきかき、進歩するのだよ。仕事じゃない? ま、まぁね。

・小林保「暗闇の向こう側(第一夜)」

怪談のショートショート。なにしろ怪談本を署名で3冊ほど書いているので、怖い話はお手のもの。本人曰く、霊を見ることはできないが、気配を感じるのだとか。

・奥山佳知「生まれてこないほうがよかったぎゃ〜 その壱 誕生篇」

心の叫び全開の異色作。純文学作家、ここに誕生、とは残念ながら誰も言わず。魑魅魍魎篇はこちらで読めます。

・榑林優「お茶のみ」

お茶の実とお茶飲みを掛けたタイトル。お茶農家で育った幼少期の思い出を綴ったエッセー風。脚注の細かさが妙に味。オジサン読者からのウケがよかった。こちらで読めます。

・大八木宏武「ふらふら大久保 百人町」

藤原新也をかなり意識した(つもりの)文と写真。〆切から大幅に遅れて入稿。シリアスな内容にしようと頑張るも持ち前のコミカルさが邪魔をする。

 

と、ちらちらページをめくっていて気づいたのですが、コバナミと栗田の原稿がない。

もしかして落丁?

「違いますよ。私、ほら反抗期だったじゃないですか」とコバナミが言えば、「私はやりたくなかったんですよね。でも、3号目からはちゃんと参加していますよ」と栗田。

栗田クン、3号目からってことはないだろう。そうだ。3号目がどうしても見つからないので、持っていたら見せてください。

一方、ようやく反抗期が終わったコバナミは2号目から参戦。提供された記事がなんとコレ。タイトルは「妄想シリーズ キスがしたい」。

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↑こんなコバナミもいまや立派な大人…かな?

妻夫木聡とどうすればキスができるのか、妄想たくましく綴った驚きのエッセー。さすがは元ソフトボール部だけあって、タイトルも内容もド直球。読んでいて頭がクラクラした当時の記憶がよみがえってきます。

最後にノーギャラで寄稿してくださった作家の板橋雅弘さん(最新刊は『ほっこり庵 いい酒、いい味、いい話』TO文庫)、漫画家の河口仁さん、鈴木誠1号さん、宮田一臣さん、そのほか大勢のゲストの皆さん、その節は大変お世話になりました。またきっと変なことを始めますので、よろしくお願いします。

そして、これを読んでくださっているあなたもぜひご参加ください〜。

 

2015.04.21そば屋で見つけた昭和な味は新宿の人気者でした。


先日、「リーズナブルでいいビストロを見つけたから行こうぜ」と得意になってメンバー何人かで出掛けたら、「あれっ! すみれさん!」「女将! ご無沙汰してました〜」と固い握手を交わす二人。なんてことはない。ウチの若手メンバーのほうが僕なんかよりもずいぶん前からの馴染み客だったという、面目丸つぶれの大場です。どうも。

 

僕は全然、凝り性でもなんでないのですが、気に行ったお店ができると続けて通う癖があります。今のオフィスに移ってきて、ひととおり近所のお店を制覇したようにも思いますが、ここにきてまた足しげく通うようになったお店があります。

こちらです。『更科』といいます。
外観

↑そうそう、ここです

ご覧のとおり、どこからどう見てもそば屋です。

最初はなんの前情報もなく、ふらりとこの店に入り、ざるそばを注文。すぐに普通のそば屋との違いに気がつきました。

お客さんの10人中7人までがそばはそばでも中華そばを食べているんです。

そば屋で中華そばを提供する店は少なくありませんが、あまりの人気ぶり。で、日を置かず再訪して、注文した中華そばがコレ。
ラーメン

↑おお〜っ! 腹減った〜。

じゃ〜〜〜ん。トッピングはチャーシュー、メンマ、葱、それに小松菜だけ。地味ですか? はい、地味です。でも、これが癖になるんです。どうやら豚骨と鶏ガラと葱だけで出汁をとっているらしく、そば屋のカエシは使っていない。

初めて食べた人が必ず口にするのが「懐かしい〜」。確かに郷愁をそそられる味です。

僕がまだひよっこだった頃はほとんど毎日、取材の嵐でした。昔の営業マンは1週間で靴をダメにしたらしいけど、僕の場合は1週間で心が潰れかけました。

あるとき、『素敵なあのコと食べる東京のカツ丼ベスト10』というような企画が持ち上がり、1日にカツ丼を7杯食べたことがあります。なぜ素敵なコとよりによってカツ丼を食べなければいけないのか当時も疑問でしたが、とにかく行けと言われれば行くしかありません。

さすがに5杯目くらいまではなんとかいけたものの、6杯目からがまさに苦行。取材させてもらって残すわけにはいかないので、とにかく胃の中に押し込む、そんな感じでした。

そして、7軒目。そこは下町のそば屋で、出されたのが上にグリーンピースが乗っている僕好みのカツ丼。しかし、いくら好みでももう入らない。ひとくち食べては固まり、またひとくち食べては固まる。そんな状態を見るに見かねたのか、お店のお母さんがお茶を注ぐふりをしながら、

「あんた、無理しなくていいよ。亭主に見つからないようにうまくやっておくから」

と声をかけてくれました。小太りのお母さんが女神に見えたものです。

 

2階もある店の作りがこの『更科』とそっくりで、家族経営なところも似ています。食べてはいませんが、メニューに中華そばと書いてあったのも覚えています。

『更科』は丸ノ内線新宿御苑前駅から5分ほど。昭和の中華そばが好きな人にはお勧めです。なんでしたら昔話付きで僕もお供させていただきますが(笑)

2015.03.20僕、ささやこうと思います


朝一番の元社員からの電話で仕事でちょっとしたヘマをしたので、一緒に謝りに行ってくれないか、と言われ、あまりの脈絡のなさに思わず吹き出してしまった大場です。頼むよ、ほんと。

新宿三丁目に引っ越してきてそろそろ1年になろうとしているわけですが、やはり都会はいいです。お気に入りのお店もいくつかできました。

その中の一軒にカレー屋があります。名前は言えません。僕は秘密主義者ではないので、いくらでもお教えしたいのですが、これからお話する内容を考えると伏せておこうと思います。本当においしいカレー屋なので、気になる方はメッセージをください。必ず返信します。

僕は最後の晩餐はカレーと決めているほどのカレー好きなので、その日も汗をかきかき、多幸感に包まれながら壁に向かったカウンターでチキンカレーをいただいていました。

カレー

↑写真と本文は1ミリも関係ありません。このかつカレーも最高っす!

あとふた口ほどで完食というところで、うしろから若いアルバイト風の店員さんに元気に声をかけられました。

「お客さまがおふたりいらっしゃったので、席をひとつ移動していただけますか?」

なるほど。カウンターに座った僕の両側の席は左右とも空いています。言われるがまま、カレー皿を持って隣の席に移ったのですが、僕の心にふわっと広がるざらつき感。

これと似た感覚をバスの中で持ったことをふと思い出しました。僕は自宅から最寄りの駅までバスを使うことがあるのですが、自宅を出るのが予定より遅れ、バス停まで全力で走る僕を無情にもバスが追い越して行ったときのことです。

走る姿がヨレヨレのおじさんを哀れんでくれたのか、バスが僕をしばらく待っていてくれました。バスに乗り込み、感謝の意味を込めて頭を下げた僕にすかさず飛んできた運転手さんのよどみのない声。

「お客さんに何もないんですか?」

意味を理解した僕は感謝の心を態度ではなく、ゼーゼーしながら言葉でも表したのだけど、なんかとても後味が悪い思いをしました。

運転手さんが言っていることは正しいのにどうして素直に受け止められない自分がいるのか、しばらく整理がつきませんでした。

もし運転手さんが僕にではなく、ほかの乗客に向かって「お待ちいただいてありがとうございました」と言ってくれていたら、僕はどんな気持ちになったのかなとも思いました。

カレー屋の店員さんももちろん、正しいわけです。僕がひとつ席をズレればふたりが座れるのですから。ただ、あとたったふた口食べるくらいの時間を待ってくれてもいいんじゃないのかなぁ、とも。

でも、やっぱりそんなのは僕の勝手な都合かもしれません。正しいことを大きな声で自信満々に言うのってどうなんでしょう、そう思っちゃったってことです。本当に大切なことは小さな声で話したほうが伝わるのかも、と。

そういうわけですので、これからの僕はささやきます。←絶対に無理

 

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