2009.06.29深夜、都恋堂に現れる壁女の正体は……


 夜中になると会社の壁に、うっすらと女の姿が浮かび上がる。そんな噂が都恋堂内で広まり始めたのは一週間前のこと。その数日後、ついに阿部が恐ろしい現象の目撃者となってしまったのだった。

  深夜、静まり帰った都恋堂オフィスに響くのは、パソコンのキーボードを叩く音だけ。カチャカチャという小さい音に、時折誰かの咳払いが交じる。

「はぁ〜」

 ため息を発したのはムック本の入稿で心身ともに追いつめられている阿部。おそらく本人は、ため息をついたことすら自覚していないはずだ。

 またオフィスに静寂が戻る。その沈黙を切り裂くように女性の甲高い叫び声が響いた。

「いやぁ〜!!

 まどろみかけていた阿部がイスから転げ落ちそうになりながら、声の方向に目をやる。「まさか…」心の中で阿部がつぶやく。

  叫び声の主は……亀山だった。奇声などあげるはずのない温厚な亀山の絶叫だったのだ。

「か、亀山さん。どうしたんですか?」と阿部。

 その声に呼応するように、ゆっくりと振り返る亀山。血の気が失せた青白い顔に、つり上がった目が異様な光をたたえている。しかも、ただでさえ細い亀山の体が、このところの連泊でさらに細く……いや、薄くなったようにすら見える。

 阿部の背中に冷たい汗が走り、額には汗が吹き出す。帰れるものなら、今すぐ帰りたい。この場から逃げ出したい。しかし、自分の意思に反して足がまったく動かないのだ。

 目を伏せて、やり過ごそうとする阿部。その時、

「もう…もう…経費精算する時間もな〜い!」

 亀山の悲痛な叫び声が社内にこだました。これは亀山ではない。何かにとり憑かれているとしか思えない。だが、阿部になす術は無い。

「ぼ、ぼくも……そうです」

 そう返事をするのが精一杯だった。

「えへっ。阿部ちゃんもなんだ〜。ちょっとホッとした」

 うっすらと笑顔を浮かべ、またパソコンに向かいキーボードを叩きだす亀山。その時、阿部は見てしまった。亀山の細い体が少しずつ透けていき、壁に吸い込まれるように消えて行くのを。

「か、壁女……」

 そう声に出してしまいそうになり、あわてて口を手で押さえる阿部。

「ウソだ! これは夢だ。夢に違いない!!

 そのまま阿部は意識を失ってしまったようだった。阿部が目が覚ますとソファでカップ春雨をすすっている亀山の姿があった。

 数日後、亀山の連泊が終わるのと時を同じくして、壁女の目撃談はなくなった。壁女の正体は亀山だったのか、それとも……。

 

※ この話は当然ながらフィクションです。ただし、「壁女」の正体が亀山なのを除き……。

 

追伸:思い込みって恐ろしいですね。大場さん、酒井と一緒に歩いていたコバナミが何を勘違いしたのか、堂々と大きな声で「あの、ミスターシーラボの件なんですけど……」。って、おいおい。それを言うならドクターシーラボだろ。「ミスターは、おまえだ!」と大場さんにツッコミを入れられるコバナミでした。

2009.06.22涌井のバースデー


 もともと背が低いのに、さらに最近「縮んでる」と都市伝説のような噂を持つ涌井が、先日、30ん歳の誕生日を迎えました。

  都恋堂では社員のバースデーパーティが特にイベント化されているわけではないんですが、有志が集ってケーキなどをプレゼントしたりしているようなんです。そんな中、さすが重鎮の涌井に対しては皆の気合いの入れようも違ったんですね、これが。

  涌井が打ち合わせで外出中、ウシのぬいぐるみ(イスにもなるそうです。ただし、体重80キロまで)などと共にこっそり部屋に運ばれたのが手作りの雑誌風小冊子『MEN’S TOREN-DOU』。手前味噌ですが、これが腹を抱えるほど笑えるんですよ。

  中身はと言うと、都恋堂の男子社員の撮り下ろしカットと涌井へのメッセージが各1ページずつ掲載されていて、撮影を担当した大八木にのせられるがまま、皆がその気になってポーズを決めてるんですよ。

 残念ながら阿部は、撮影当日に取材で終日外出していたため、次号予告のページに有り物の写真を使われるだけでしたが。その代わりと言っては何ですが、コバナミがNamioとして登場してます。

  ちなみに、表紙モデルは奥山。本人はチョイ悪を気取ったのかもしれませんが、どう見てもVシネマの脇役俳優が衣装合わせ時に撮った写真みたいな仕上がりになってます。何だか眉毛が薄いし……。

  涌井に気づかれぬよう制作日数わずか1日で仕上げた力作(?)、いや異色作って表現の方がいいかな。是非見たい! 笑わせてくれ!! という方は涌井まで。机の上に飾ってありますので。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

追伸:村上がアメリカンチェリーを買ってきて、さり気なくテーブルの上に。山形のさく らんぼ農園の長男でありながら、いつまで経っても佐藤錦を送ってよこさない奥山への無言の嫌み? ともっぱらの評判です。奥山、どうなってんだ! おまえだけは年貢を納めろ!!

2009.06.17都恋堂に4つの課が誕生!?


 一応、株式会社ではありながら、世間で言われる“会社”とはちょいと……いや、かなりスタイルの異なる都恋堂ですが、最近少しばかり会社っぽい体制を取り入れてみました。

 なんと、課を作ったんです。それも4つも! えっ、社長を含め19人しかいないのに!? って思いますよね。ええ、やっちゃいました。やっちゃったついでにと言うか、当然の流れと言うか、管理職まで誕生させちゃいました。それも4つの課を作ったわけですから、一気に4人の課長の誕生です。

 その顔ぶれは、コバナミ(小林奈巳)、涌井、奥山、榑林の4人。コバナミは取締役でもあるし、涌井にしても編集の長としてキャリアを積んで来ているので、以前から管理職のような存在。

 で、奥山と榑林ですね。早い話がキャリアの古い順です。年功序列のつもりはありませんが、やはりキャリアは重要だと思うんですよ。何しろ、人の出入りが激しい業界で、なおかつ都恋堂のような人使いの荒い会社を辞めずに頑張ってきたわけですから。

 あっ、奥山に関しては会社側から「頼むから辞めてくれ」と言ったことがありました。たぶん、2〜3回。にも関わらず、辞めることなく続けてきたわけです。その結果、まだまだ問題点はありますが、ずいぶん成長しました。しかも奥山の場合、仕事上では後輩に厳しいので(嫌なことは後輩に押し付けるという説も)、その点では管理職としての適正はピカイチかもしれません。

 一方の榑林ですが、一度も「辞めたい」という言葉を聞いたことがありません。いや、飲んだ時に同期の人間には言ったことがあるのかもしれませんが、少なくとも俺の耳には届いてません。それって声が小さいから? いやいや、そんなことはないはず、と信じています。まあ、直属の部下が出来たわけですから、今後は皆に届く声を出してくれることでしょう。

 と言うわけで、新年度のタイミングでもないのに新体制となった都恋堂。次はどんな変化を見せるのか。あっ、それって俺を含めた取締役陣で決めることでした。こりゃ楽しんでばかりもいられないわ。

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